Diary

コーヒーと共にちょっと思い出すこと


私はコーヒーが好きだ。朝、家事が一息ついた時に飲むコーヒーは特に好きである。
そしてそんな時に必ず思い出すのはもう十何年も前にアメリカにいた時の出来事である。
当時日記も付けていなかったし記憶も曖昧なせいで細かいことは不明なのだが、ある時、夫のいた研究室で働いていたPh.D.のDon(夫がこう呼んでいたので)の故郷に家族全員で招かれたことがあった。場所はどこだったのだろう。多分シアトル郊外のかなりの田舎だったことしか覚えていない。そこにはDonのお姉さん一家が住んでいて、その家は家畜の飼料の干し草を作る農家だった。(日本にも輸出していると言っていた。)
仕事は旦那さんと長男がしていて、Donのお姉さんはいわゆる専業主婦だった。男の人たちは家事なんてなーんにもしないのが、私のアメリカ人のイメージからちょっとかけ離れていて新鮮だった。
ある朝、Donのお姉さんは山ほどもあるポテトサラダ用のじゃがいもの皮を剥いていて、私もそれを手伝っていた。そして皮むきが終わった時にコーヒーを煎れてくれた。そのときに彼女が自分はいつも家事が一段落するとコーヒーを煎れて飲むと言っていた。この時のコーヒーは美味しかった。
そのまねをしている訳ではないけれど、いやまねをしているのかもしれないが、私も日本に帰ってから家事の間に飲むコーヒーがとても好きになった。

そういえばDonで思い出したのだがDonの奥さんは熱心なクリスチャンで、それも普通のクリスチャンではなく新興宗教のような教会の熱心な信者だった。
日曜日にの朝はいつも教会に行っていて、私たちも誘われて一緒に教会に行っていた。(夫は単に英会話の勉強のつもりで、私はいい加減な性格なので何となく誘われるままに)ミサのメインはみんなで歌を歌うことで、皆上に挙げた両手を大きく揺らしながら陶酔状態で歌を歌っていた。私も素直にこういう宗教の信者になれたらどんなに楽かと羨ましく思いながら、いつもみんなと一緒に陶酔状態になれない自分が何とも残念だったのを覚えている。(それなのにどこまでもいい加減な私はDonの奥さんに誘われるままに、その後何も信じてもいないのにプール(!)で洗礼まで受けてしまった。これこそまさに神への冒涜である。夫には今でも「そう言えばクリスチャンだったよねえ」と時々皮肉を言われる。)

まあそれもこれも、もはや今となっては記憶の彼方に漂っている出来事の一つである。シアトル懐かしいなあ・・。
2003年07月17日(木) No.31
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